軽量性/電池持ちに基づく機種選定

 1. 前提条件 

 選定は、以下の2条件

   ①本体 1.4kg以下 

   ② Office Home & Business込みで10万円以下 

を前提として行います。ここで、条件の①は苦痛なく持ち歩ける上限であることと、これ以上重くなることを許してもコスパがあまり改善されないことの両方に基づいて定めています。また、条件の②は、Office (PowerPoint含む)利用のパソコン新調に充てる現状妥当であろうといえる金額として定めています。なお、Office Home & Businessは、同時購入で割り引かれるインストールが同時購入機種に限定さえる版です。

 2. 選定途中の分岐判定条件 

(1) 軽量性/電池持ち優先か?  持ち歩く機会があまりない上に電池駆動時間が高々2,3時間の場合は、軽量性/電池持ちを優先する必要はありません。このような場合に、軽量性/電池持ちに拘らずに選定できるように、この条件判定を設定しています。 

(2) 軽い処理専用か?  実用スペックでは不足である、スペックに余裕を持ちたいなどの要求に応える選定を可能とするために設けています。 

3. 選定の概要 

(1) 軽量性/電池持ち優先不要の場合  価格コムのスペック検索を用いて、CPU性能スコア(PassMark)10000以上の条件を満たす機種を選定しています。

 HP 14s-fq0000は、8割充電には未対応ながら、1.33kgと比較的軽量なので、持ち歩きにも耐えられるでしょう。数年以上電池交換無しで持ち歩きたい場合は、若干重くなりますが、ThinkBook 14 Gen 3を選定するのが良いでしょう。

(2) 軽量性/電池持ち優先ながら実用スペックでは不十分な場合

 1.2kg以下、メモリ8GB、SSD128GB以上の3条件を満たす機種の中から、軽量性/電池持ちの両立性に優る画面サイズが12インチ以上の機種を選定しています。 この中で、価格、軽量性、電池持ちの両立性で、現状、最も優れているのはSurface Laptop Go 2です。画面解像度がフルHDに達していない弱点はあるものの、Office搭載が標準でタッチ機能に対応する2in1タイプです。

(3) 軽い処理専用の場合  4万円以下の価格帯で、本体が1.2kg以下、電池もち9~10時間の機種を選定しています。2022年3月4日発売のASUS E210MA後継のE210KAは、Celeron N4500搭載によりシングルスレッド性能を20%程度向上させているものの、メモリが4GBしかない、電池持ちが10時間に満たないなどの弱点があります。OfficeやWebブラウジング主体の学習用途ならば性能上の問題は生じないでしょう。従って、大学等提供の無償のOfficeが利用できるのなら、選択肢の一つになり得ます。Lenovo IdeaPad Slim 150は、学習や事務処理向きのCPUであるAMD 3020e or 3050eを搭載しており、Celeron N4500搭載のE210KAに比べ、アプリ起動やOffice処理のベンチマークスコア(PCmark 10)10-20%上回ります。しかし、Ryzen搭載機同様、電池駆動時には、事務処理の性能(Productivityスコア)が落ちやす易く、Word処理等ではASUS E210KAと同等かそれ以下の性能しか得られない点に留意が必要です。

 ここで、大学からのMicrosoft Officeの提供の有無を分岐条件に入れているのは、ASUS E210KAでは、Office H&Bの同時購入による割引が得られないからです。


 この選定フローでは、メーカサポートについては考慮していませんが、購入先からのサポートが期待できずメーカサポートに頼らざるを得ない場合は、その手厚さをパソコンメーカーのサポート内容の比較日経コンピュータ 顧客満足度調査2021-2022メーカー別パソコン故障率ランキング2016等により十分に調査してから決めると良いでしょう。

4.3万前後の機種の特徴

(1)ASUS E203MA ACアダプタ込みで1.12kgの軽量性、14.6時間の電池もち、そこそこの液晶画面品質、WPS Office付属、ASUS製であることでの故障耐久性に関する信頼感など、実用的な観点からの総合的なコスパは全市販パソコン中ベストともいえる機種です。発売から2年経つにも関わらずコロナ騒ぎで需要の増えた2020年4月のBCNノートパソコン月間売れ筋ランキングで外資系トップの11位となっていることは、そのコスパの良さが評価され続けていることの証と言えます。光沢画面は映り込みで見づらくなる弱点があります。気になる場合は、ナカバヤシ、サンワダイレクト等の反射防止フィルムを張り付けることで非光沢化するか、非光沢化された後継機のE210MAを選ぶと良いでしょう。

(2)Lenovo Ideapad S130 4機種の中で唯一128GBのSSDを搭載しているため、メモリ消費大のアプリやいくつものアプリの同時動作でメモリ不足を来しても性能が落ち難い利点があります。また、ストレージがeMMCでよければ、Office H&B 2019搭載モデルを選択することもできます。カタログ上の電池もちが8時間しかありませんが、こまめブログに示されているBBenchによる計測値が9時間44分とカタログ値10時間以上に相当する実力を備えているようです。

(3)HP Streem 11 1年間無料の使い方の電話サポートが付いているのが最大の利点です。電池もちがE203MAに次いで良い点も利点ですが、8割充電の指定ができないために電池劣化が早まらないかは懸念されます。

(4)Acer Aspire 1 メモリ増設用の空きスロットを備えており、それに別途購入する4GBのメモリモジュールを装着しメモリ容量を8GBまで増量しておけば、メモリ消費大のアプリやいくつものアプリの同時動作でもメモリ不足が起こり難くなる利点があります。


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