実用スペックで回避! 生協パソコン高過ぎ問題

 コンピュータ関連技術の着実な進歩により、学習向けには十分な性能のパソコン(以後PC)が、現在では3万円程度かそれ以下で購入可能になっています。このような状況にも関わらず、多くの新入生が購入する大学生協のPCの高額化は一向に止まる気配がありません。その結果として、卒業研究の期間を含めても大半の学生が必要としない過剰なスペックのPCに20万前後もの大枚をはたかせる大学も珍しくはありません。当然ながら、新入生や保護者がこれを知れば、入学時の物入りの時期だけに、適正なスペックのもっと安価なPCで済ませられないかと思うでしょう。ここでは、このような思いの新入生や保護者に向けて、学習用に必要不可欠な最小限のスペックがどのようなものかを明らかにし、3万円以下のローエンドのノートパソコンでも、選び方さえ間違えなければ学習用途には十分であることを示します。実際、マイクロソフトが2021年11月に発表した教育用ノートパソコンであるSurface Laptop SEも、小中学生向けとは言え、ここで示す実用スペックで構成されています。


1. 負担軽減に不可欠!大学側の推奨スペック適正化

 スペック決定にコンピュータハードウェアの専門家が加わっていないのか、かなり多くの大学で必要以上のハードウェアスペックが推奨されています。その結果、生協PCのハイスペック化が正当化され、学生は高額なPCを買わざるを得なくなっています。 表1は大学側の要求である必要あるいは推奨スペックの悪い例と、ここでの議論に基づき提案する必要スペック(提案実用スペック)をまとめた表です。以下、それぞれの項目に対する条件指定がどう悪いかを示しながら、学習に支障を来さない最低限のスペック(実用スペック)を提案していきます。もちろん、そのスペックは、要求レベルが過剰でない九州大、広島大、神戸大、大阪教育大、金沢大等の必要スペックを満たす範囲内とし、多くの新入生のPC購入に役立つものとします。

(1) core iグレードより性能スコア

 最初の項目のCPU(中央演算処理装置)では、性能の下限をメーカ側のcore iグレードや動作周波数で指定している点が問題です。なぜなら、グレードの対応が不明なためインテル製以外のCPUを選べないからです。また、性能が動作周波数の高さと必ずしも一致しないからです。さらに、性能が年々上がることで、下位グレードの新CPUを搭載するPCの方が安価にも関わらず、性能の下回る上位グレードの旧CPUを搭載する割高のPCを選ばざるを得ないことが、インテル製のCPUの間でさえ起こり得るからです。

 Officeが軽快に動作することをCPUの必要条件としている大学もかなりあります。これはグレードや動作周波数による指定のような問題が無い分、ましではあります。しかし、店頭でOfficeの動作を試すことは通常できませんし、喩え出来たとしても経験の浅い新入生が主観だけで正しく性能を判断することは困難です。

 これらのいずれの問題にも無縁なのが、ここで提案する性能スコアによる条件指定です。性能スコアは、種々の処理に対する実行速度を点数化したものであり、ネット上に公開されていて容易に閲覧可能なものもいくつかあります。その中の一つに、学習や事務作業での体感との一致度が比較的高い性能スコアにPassMark Single Thread PerformanceGeekbenchシングルコアがあり、それを利用すれば性能の下限を数値で定量的に指定できます。もっとも、ネット上に公開されている性能スコアは、ACコンセントから電源を取る非節電モードで測定されたものであることに注意が必要です。なぜなら、AMD製のRyzenシリーズCPUは、電池駆動の節電モード時の性能低下の割合がIntel製のCoreシリーズCPUより30%程度大きくなる傾向にあるからです。

 性能スコアのグレードや動作周波数に対する優位性は、例えば2017年頃販売のASUS社のノートPC X540L(Core i3 4005U[PassMark Single Thread Rating性能スコア923])搭載)と後述のCeleron N4000[PassMark Single Thread Rating性能スコア1058]搭載のノートPCの両者について条件判定をすれば明らかです。Core iのグレード指定では、性能の高い Celeron N4000が落ちてしまいます。性能スコアならば、適切に下限を指定することで、性能の高いCeleron N4000のみ通すことも、両方とも通したり落としたりすることもできます。

 以上より、CPUの条件は性能スコアで指定することとし、PassMark Single Thread Rating性能スコアの下限の値は900とします。これは、後述する通り学習用途には十分な性能のSurface Go搭載のPentium 4415Yのそれが934だからです。

 なお、PassMark Single Thread Ratingとは、キーワードにCPUの型番とPassMarkの2つを入れてググることで出てくるPassMark-CPU型番@XXHz Price …を左クリックして現れるページにおいて、右側にオレンジで表示されるCPU Markの下に位置するSingle Thread Ratingのことです。

(2) メモリは4GBで問題無し

 Windows10では高額化の要因となっても8GBを指定したくなるのはわかります。 Windows 10sとは異なり、購入時の設定のままではWindowsメモリ使用量が軽く4GBを超えてしまうからです。しかし、この4GB越えの問題は、別記事の簡単チューンアップに示すWindows軽量化を行うことでかなり緩和できます。実際、軽量化後は、学習用途で典型的なOffice、ブラウザ、ウェブ会議の同時起動程度の条件でメモリ圧迫による性能低下が気になることはありません。

(3) ストレージは64GBでも超小型USBメモリ装着で拡張可能

 CPU以上に体感の速さに効くことも少なくないことからストレージの速度重視でSSDを指定したくなるのはわかります。しかし、メモリ不足を来さない限りeMMCでもそれほど性能に差が出るわけではありません。Windowsやアプリの起動が多少延びる程度で、喩えメモリ不足に陥ったとしてもSSDの半分近い実効速度は出るので、1/100程度の速度しか出ないHDDのように体感性能が極端に低下することはありません。また、Windows 10では大容量の超小型USBメモリあるいはmicroSDXCカード装着により容量拡大が簡単に実現できますので、64GBあれば十分です。従って、ストレージの条件は、ストレージタイプをHDD不可とだけ指定し、容量を64GB以上とするのが良いのです。

(4) 電池駆動時間10時間は必須

 一般教室での授業を想定すると受講中にPCの電源が取れるとは限りません。また、空き時間にいちいち充電するわけにも行きません。また、PC必携化においては、4年後に電池が劣化したからといって電池駆動時間5時間の条件が緩むわけではありません。さらに、毎回のフル充電による電池劣化を避けるため、8割くらいで充電を止めざるを得ない機種もあります。これらを勘案すると、結局、カタログ上の電池駆動時間は最低でも10時間はないと必携には耐えられないことがわかります。5時間程度では、4年間の必携には到底耐えられません。

(5) 1kg以下が必携PCにおける最優先の条件

 性能要求は必要以上の高か目に設定しているのに、重さの方は1.5kg以下と緩る目に設定している大学がいくつかありますが、これは逆にするべきです。なぜなら、軽くなければ毎日のように持ち歩く気にはなれないからです。また、性能が少々低くとも、ストレージさえSSDかeMMCタイプであれば、体感の速さが学習に支障を来すほど落ちないからです。なお、1kgは本体のみの重さでACアダプターは入っていません。200g近い重さなので、できれば一緒には持ち歩きたくないところです。そのためには、電池切れに遭わないよう電池駆動時間を10時間からさらに長くしておきたいところです。

(6) 画面サイズは11.6インチで問題無し

 10.1(1366×768)、11.6(1366×768)、13.3(1920×1080)の各インチサイズのノートPCを使いこなして来た経験から、解像度が1368×768画素で11.6インチ以上のサイズであれば、画面の小ささ、解像度の低さ、キーボードの小ささが気になったり、それで疲れたりすることはほぼないと言えます。これに対し、画面サイズ12.5インチ以上あるいは画面解像度1920×1080 以上にしようとすると、学習用途ではそれほどのメリットはないにも関わらず、価格は大きく上がってしまいます。


2.提案実用スペックなら3万円以下で購入可

 3万円程度かそれ以下(価格.com調べ)で提案実用スペックを満たす機種は、E203MA-4000G2(Asus)のみです。1kg以下を1kg代以下と少し緩めると、後継機でディスプレイが非光沢化されたE210MA(Asus)の3機種が加わります。

なお、2022年3月4日にE210MAの後継機のE210KAが発売されました。E210MAのCeleron n4020に対し、GeekBenchシングルコアスコアが3割程度向上したCeleron n4500を搭載しているだけでなく、不足気味だったストレージ容量も倍の128GBに増量されています。残念なところは、電池持ちが9.2時間と10時間以下にまで落ちてしまっていることと、搭載メモリが4GBから増えておらず簡単なチューンアップがかかせないことです。


3.3万以下でも性能は本当に大丈夫か? 

 3万円以下でも大丈夫なことの論より証拠は、いくつかの大学あるいは大学生協で、同等性能のPCが昨年度(2019年度)から新入生向けに推奨あるいは販売されていることです。その新入生向けPCとはマイクロソフトのWindowsタブレットSurface Go、Surface Go 2(Pentium 4425y版)です。携帯性の高さから注目されている機種ながら、プログラマーやクリエイターなどヘビーユーザからは作業が度々滞ると性能不足で酷評されることもあります。それにも関わらず今年度も引き続き推奨あるいは販売されているのは、大学の学習がSurface Goに比べて数%上回るだけのSurface Go 2の性能でも十分なウェブ閲覧/会議、マイクロソフトのOffice操作、数千ステップ以下のプログラミング等の比較的軽い処理で占められるからです。換言すれば滞りの原因となるような重い処理(例えばAdobeのLightroom、Photoshop,の操作、本格的なプログラム開発など)は大学の学習では通常行われず、Surface Go 2でも性能不足を来すことがないからです。実際、価格.comでのSurface Goのレビューからも、学習用途程度の作業ならば問題なくこなせることが読み取れます。いくつかの大学で性能の必要条件「Microsoft Officeが軽快に動作すること」としているのは、この大学のパソコン利用実態に基づいており、その結果として、現在では決して高性能とは言えないSurface Go 2の選定に至っているのです。


4.3万以下でも性能は Surface Goと同等

 Surface Goとの比較表を表2に示します。提案実用スペックを満たすPCのE203MA(Asus)と1.1kg代と少し重いもののこの価格帯では評価の高いIdeapad S130(Lenovo、MS Office H&B 2019搭載モデル有り)に加え、第8世代のiPadとSurface Goに近い価格のLavie Direct NM(NEC)を、Surface Goと比較しています。ここで、性能スコアにはPassMark Single Thread Ratingとともに、PCMark 10のEssentials(アプリ起動、ウェブ閲覧、ビデオ会議)とProductivity(文書作成、表計算)を用いています。PCMark 10を追加したのは、性能評価プログラムを学習時の実際の処理に即したものとして性能スコアの精度を高めるためです。

この表から明らかなように、N4000搭載PCのE203MA(Asus)、Ideapad S130(Lenovo)は、性能スコア/ストレージ速度がSurface Goのメモリ4GBモデルに対し4%かそれ以上上回り、メモリ8GBモデルに対しせいぜい5%程度下回るに過ぎません。メモリ8GBモデルに対する負けがEssentialsで少し大きいのですが、これは表3に示すアプリごとの性能スコアの比較よりビデオ会議の性能スコアの低さに足を引っ張られたのが原因とわかります。このビデオ会議を性能スコア算出から除外すると、メモリ8GBモデルとの差は1%以下にまで縮みます。

Celeron N4000搭載PCがウェブ閲覧やWord、Excel操作に十分な性能を備えていることは、価格.comのレビュー中のウェブ閲覧、Word/Excel操作等に関する記述からも確かめられます。とは言え、Surface Goのメモリ8GBモデルに対しては、 4GBとメモリ容量が半分しかありませんので、いくつものアプリを同時に操作したり、ウェブ閲覧アプリのタブを開き過ぎたりしてメモリ不足を来すと性能低下が目立つことになります。特にAsus E203MAでは、メモリ不足時に直見えになるストレージの性能が劣ることから、この弱点がより強く出ることになるので注意が必要です。

 Lavie Direct NM(NEC)は、3万円程度以下では得られない12.5インチの画面の広さと軽量・堅牢を兼ね備えたモバイル対応のノートPCです。Core i版は10万程度かそれ以上の値が付いている機種ながら、新モデルの登場前後では旧モデルがかなりの値引きとなります。この表の比較結果からは、学習用途であれば、Celeron版で十分であり、Core i3/i5/i7版の新モデルを選択する必要のないことがわかります。

 なお、Surface同様タイプカバーと組み合わせることで、キーボード入力が可能になるiPadは、OSがWindowsでないためPCMarkの性能スコアは不明ですが、Geekbenchのスコアはほぼ2.8倍と格段に高い性能を備えていることがわかります。Celeron N4000搭載マシンとの詳細な比較結果は、GIGAスクール構想対象機種ベンチマークにまとめられていますが、これにはWeb閲覧関連の性能は実際に2倍程度の性能が出ていることが示されています。しかし、Webを介さないOffice365アプリでは、逆に起動時間が倍近くにも伸びてしまっています。さらに、実際にWindowsマシンと使い比べたレビューには、かな漢字変換の性能が低いため日本語入力に手間取るとの指摘もあります。従って、Officeを使った表計算やレポート・プレゼン資料作成が中心となる場合にはiPadは向かないと言えます。


5.費用対効果は長期で見ても生協PCより上

 大学生協のセールストークでは、堅牢/軽量/高信頼/4年に渡るサポート・物損カバーの保証などと卒業後まで使える高性能とを両立している点がアピールされています。卒業後までの長期で見る費用対効果は悪くないと思われるかもしれませんが、以下に示すようにサポートを除けば、3万円以下のPCが費用対効果で負けることはありません。

(1) 卒研配属後/就職後に買い直しても得

 将来役立つかどうか不明の過剰スペックPCにいきなり大枚をはたくより、入学時は3万円以下に抑えておくのが、結局は得です。美術、建築等のクリエイター系や一部の理系の学生を除けば、大半の学生がそのまま卒業まで使えてしまうからです。また、研究室配属、就職等により、そうはいかなくなったとしても、3万円以下のPCで浮かした分で、その時点のニーズに即したハイスペック機に買い替えられるからです。PCのコスパは年々良くなるのが必然ですから、数年後には浮かした金額程度かそれ以下でも、入学時の過剰スペックPCと同等かそれ以上のスペックのPCが手に入るでしょう。持ち歩くことがなくなり、軽量/堅牢PCである必要がなくなれば、その分コスパが改善され、さらに高性能なPCを購入できることになります。

(2) 安価で外資系でも故障耐久性は国産ブランド以上

 安物は壊れやすいと思いがちですが、実績のあるメーカ品ならば、そのようなことはありえません。これは、安価な製品では利幅が小さいため、故障率が高いと1年保証の修理対応で赤字になってしまうからです。利益を出すには高価な製品と同等かそれ以上に故障し難くすることが必須なのです。コスト低減のために数年後の故障率増加を許容しようものなら1年以内の故障率増が必至なので、結局、ほぼ同じ技術、同じ信頼性の部品で製造せざるを得ません。その結果として、通常の数年程度の使用で故障率に違いが出ることはほとんど起こりません。また、外資系の壊れやすいとのイメージも現在では正しくありません。楽天リサーチによるメーカ別パソコン故障率ランキング2016日経コンピュータ 顧客満足度調査2019-2020では、故障し難さのトップ3は、ASUS、HP、Lenovoの順で、国産ブランドは5位以下に甘んじています。ネットでも議論を呼んだようにランキングの精度には多少の問題はあるものの、国産ブランドでもPCの中身はほぼ中国製であることから、国産ブロンドの故障し難いとのイメージが過去のものとなっているのは確かです。

(3) 堅牢性は運び方次第で不要

 衝撃に弱い機器として、それなりの扱いのできる学生であれば、機械的に壊してしまうことは、まずありません。大半の学生は、それなりの扱いができるので、堅牢性は不要ということになります。とは言え、ノートPCを無防備な状態で持ち歩いたり、自転車の前かごに入れて走り回ったりしがちな人やそうせざるを得ない人もいます。自分がこのような部類に入ると思えば、物損補償対応の保証を別途つけるのも良いでしょう。

(4) 物損補償付き5年保証は購入金額の10%から付加可能

 3万円PCなら、壊してしまい最悪買い直すことになっても総額6万になるだけです。それを負担に感じなければ、物損補償は不要でしょう。それでも、丁寧な扱いができないため、在学中に機械的に壊す可能性が高いと思うならば、物損補償をつけるのも良いかもしれません。物損補償付の保証も4年に渡って全額保証ともなると割高になってしまいますが、2年間に限定したり、年ごとの減額を許容したりすれば、かなり割安につけられます。例えば、SOMPOワランティの物損付延長保証であれば、1年経る毎に保証額のパーセンテージが100,50,40,30,20と減額されものの、購入金額の10%でつけることができます。同様の保証にクロネコ延長保証プレミアムがあります。ただし、いずれもPC購入時の加入が条件となりますので、ネット通販等で購入する場合は、このような延長保証に対応している店を選ぶ必要があります。割高になっても全額保証を付けたい場合は、月額700円のモバイル保険があります。新調するタイミングが揃えられれば3端末まで保証対象にできますので、毎月携帯キャリアに同額程度のスマホ保証を支払っているのならば、スマホの更新とノートPC購入のタイミングを合わせてモバイル保険に入り直すと良いでしょう。実質の負担額を増やすことなく物損カバーの保証が付けられることになります。


6.どうする?問題のサポート

 3万以下あるいはメーカ直販/通販のPCの欠点で問題になりそうなのは、生協PCのような無償の対面サポートが受けられないことです。もっとも、大学にヘルプデスクが設けられていて、そこに持ち込めば無料でサポートが受けられるのであれば、問題にはなりません。もし大学にヘルプデスクがなくとも、ネット検索で見つかる地域のパソコンボランティア(公共の施設の中にはボランティアのPCサポート窓口を設けられている市区町村が少なからずある)で対面のサポートを受けられれば、やはり問題にはなりません。

 いずれの対面サポートもダメかもしれませんが、それで諦めることはありません。スマホに比べて、PCの操作がそこまで難しいものではないからです。換言すればスマホの使い方や設定の変更・最適化でサポートに頼る必要を感じていないのならば、パソコンも同じようになんとかなるからです。実際、Windowsの操作でつまづいたり、トラブったりしても、ネットでググれば、大概はスマホと同じように解決法が見つかります。もし、見つけられないようなら、次は無償のメーカサポートを試してみてください。メーカサポートは、電話がつながらない、つながった先が外国人で要領を得ない、強制されるチャット・メールが書けないなど評判はあまりよくありません。とは言え、最近では大分改善されており、HPは満足度全体がほぼ国産ブランド並みまで、Asusは不満の割合が国産ブランド並みまでそれぞれ改善されて来ています(日経コンピュータ 顧客満足度調査2019-2020楽天リサーチ メーカー別パソコン故障率ランキング2016参照)。電話もつながり易く良好なサポートが受けられると好評なDellのプレミアムサポートは、有償ながら、7,8万くらいまでのノートPCについては購入後1年間は5千円程度と割安に設定されています。

 もし、メーカサポートでらちが明かないようでしたら、友人・知人にも相談してみてください。やっかいなトラブルであっても、友人つながりで、PCに強い同級生や先輩までたどりつければ必ず解決できるはずです。対面サポートに頼るより手間暇かかるかもしれませんが、結局は、この苦労をどれだけしたかがPCに強くなる一番の近道です。というわけで、対面サポートがないというだけで諦めるのではなく、是非3万円程度以下あるいはメーカ直販/通販のPCにチャレンジしてみてください。


7.おわりに

 過剰な要求レベルでない大学の必要スペックを満たす範囲内で、学習での使用実態に基づいた必要最低限のスペックを明らかにし、それを満たすAsus E203MAが、必要に応じて装着するショートハイトのUSBメモリ込みでも3万5千円以下で購入可能であることを示しました。

 Asus E203MAは、価格的にはローエンドの製品で、ハイエンドの製品のようにキビキビと動作するわけではありません。それでも、Windows軽量化、ブラウザの広告ブロックなどのチューンアップを適切に行えば、卒研以前の大半の学習用途には十分な性能が出るようになります。入学後しばらくは、チューンアップまで手が出なくとも反応が鈍過ぎて学習に支障を来すようなことは、まず起こりません。従って、チューンアップは、ハードルが少し高いようでしたら、パソコンの使い方を勉強しながら入学後に少しずつ行っていくのでかまわないのです。

 幸か不幸か、PCの購入費を総額3万円以下に抑えたり、直販/通販でコスパに優れたPCで済ますには、現状ではトラブル解消からチューンアップまですべて自身が主体的に動かなければなりません。しかし、これこそがパソコンスキルを身に着けたり、主体的な行動力を身に付けたりする一番の近道です。ぜひ、恐れずチャレンジください。


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